皆さんこんにちは。
神奈川県川崎市を拠点に全国で公共施設やビル・学校・病院などで保温工事を手掛けている株式会社新和です。
「ダクトと配管って、何が違うの?」「空調や換気の仕組みがいまいち分からない」――そう感じたことはありませんか?
建設現場や設備工事に携わる方の中でも、配管ダクトの役割や種類について明確に説明できる人は意外と少ないものです。実は、用途や材質、形状によってダクトの性能や施工方法は大きく変わります。
この記事では、配管ダクトの基本的な仕組みから、空調・換気・排気の種類、工事やメンテナンスのポイントまでを分かりやすく解説します。建設業に携わる方や設備工事の知識を深めたい方はもちろん、これから空調設備の理解を深めたい方にも役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
■配管ダクトの役割と仕組み

配管ダクトは、建物内で空気を運ぶための重要な設備です。空調設備や換気装置とつながり、室内の空気を入れ替えたり温度を調整したりする役割を持ちます。建設現場や工場などでは、快適で安全な環境を維持するために欠かせない要素です。ここでは、ダクトの仕組みや配管との違い、建物設備での使われ方を順に見ていきます。
・空気を通すダクトの仕組み
ダクトとは、空気やガスなどの気体を通すための通路を指します。一般的には天井裏や壁の中に設置され、給気(新しい空気を送る)や排気(汚れた空気を外に出す)を行います。形状は丸ダクトや角ダクトなどがあり、用途や設置場所によって選ばれます。材質には亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板などが使われ、腐食を防ぎつつ長期間の使用に耐えられるように設計されています。空気の流れを効率的に保つためには、継手やチャンバーなどの部品も重要な役割を果たします。
・ダクトと配管の違い
ダクトは「空気」を通す設備であり、配管は「液体やガス(冷媒・水など)」を通す設備です。つまり、ダクトは空調や換気を目的とした気体用の通路、配管は配管工事で施工される液体系統の通路と考えると理解しやすいでしょう。また、施工方法にも違いがあります。ダクトは断熱や防音のためにグラスウールなどの保温材を巻くことが多く、配管は耐圧性や防漏性を重視します。現場では両者が連携し、快適な空調環境をつくり出しています。
・建物設備での活用例
配管ダクトは、オフィスビルや工場、飲食店など、あらゆる建物内で使用されています。特に空調ダクトは、室内の温度や湿度を一定に保ち、居住者の快適性を確保する役割を持ちます。一方、排気ダクトは煙や臭気、粉じんを屋外へ排出するために設置され、環境や安全性の確保に欠かせません。設計段階では、空気の流れや排出経路を考慮し、最短ルートで効率よく施工することが求められます。適切に設置されたダクトは、建物の寿命やエネルギー効率にも大きく関係します。
■空調・換気・排気のダクト種類

建物の空調設備や換気システムでは、用途に応じてさまざまな種類のダクトが使われます。ダクトの種類によって空気の流れ方や設置方法が異なるため、目的に合った選定が重要です。ここでは、代表的な空調ダクト、吸気・排気ダクト、そして形状による違いについて解説します。
・空調ダクト
空調ダクトは、エアコンなどの空調機器と室内をつなぎ、温度調整された空気を各部屋へ送るための通路です。冷暖房効果を建物全体に均一に行き渡らせる役割を持ちます。空調ダクトの内部は、空気の流れをスムーズにするために継手部分を最小限に設計し、気密性を確保します。また、温度変化を防ぐためにグラスウールなどの保温材で覆われることも一般的です。施工の際は、天井裏のスペースや他の設備との干渉を考慮してルート設計を行います。
・吸気ダクトと排気ダクト
吸気ダクトは、屋外の新鮮な空気を室内に取り込むための通路です。これに対して排気ダクトは、室内で発生した汚れた空気や熱、臭いを屋外に排出するための通路です。厨房や工場などでは、排煙ダクトとして高温の空気や油煙を排出する設備もあります。どちらのダクトも空気の流れを一定に保つために、サイズや材質の選定が重要です。吸気・排気がバランス良く機能することで、建物内の圧力や温度が安定し、快適な室内環境が維持されます。
・角ダクト・丸ダクト
角ダクトは断面が四角形で、天井や壁に沿って設置しやすいのが特徴です。見た目がすっきりするため、オフィスや店舗などでも多く採用されています。一方、丸ダクト(スパイラルダクト)は空気の流れがスムーズで、圧力損失や騒音が少ないという利点があります。また、亜鉛メッキ鋼板製で耐久性が高く、工場など大規模な空調設備でも使用されます。形状の選定は、設計段階での空気流量・スペース・コストのバランスを見ながら行われます。適切な形状のダクトを選ぶことで、効率的な換気とエネルギーの無駄削減につながります。
■材質と形状の選び方

ダクトの性能は、材質と形状の選び方によって大きく変わります。建物の用途や設置環境に合わせて、適切な材料・形状を選定することで、空調効率や耐久性、安全性を確保できます。ここでは、金属や樹脂などの材質特性、形状ごとの施工性やコスト、そして屋内外の使い分けについて説明します。
・金属・樹脂などの素材特性
ダクトに使われる材質は、亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板が一般的です。亜鉛メッキ鋼板は価格と強度のバランスが良く、屋内の空調・換気ダクトに多く採用されています。一方、ステンレス鋼板は耐食性に優れており、排気ダクトや湿気の多い環境に適しています。樹脂製ダクトは軽量で施工しやすく、腐食の心配がないため、薬品やガスを扱う工場でも使われます。また、塩ビコーティング鋼板は酸や塩分に強く、厨房や屋外設置にも対応可能です。材質選びは、空気の種類(清浄・油煙・排煙など)や温度条件を考慮することが重要です。
・形状別の施工性とコスト
ダクトの形状には、角ダクトと丸ダクトがあります。角ダクトは天井や壁に沿って設置しやすく、見た目が整いやすいため、商業施設やオフィスに向いています。ただし、角形は空気抵抗が大きく、送風効率が下がる場合があります。丸ダクト(スパイラルダクト)は空気がスムーズに流れるため、静音性と省エネ性に優れています。製造コストも比較的安く、施工スピードが早い点も魅力です。工場や倉庫などの広い空間では、丸ダクトが多く採用されます。
・屋内・屋外での使い分け
屋内用ダクトは、保温・防音を目的としてグラスウールなどの断熱材で覆うことが一般的です。一方、屋外設置の場合は、雨や紫外線による腐食を防ぐために、耐候性の高い材質やカバー処理が必要です。また、屋外では排気ダクトの熱膨張を考慮し、伸縮を吸収できる継手構造にするなど、安全性にも配慮します。用途や環境に合わせた適切な選定を行うことで、ダクト設備の長期的な安定運用とエネルギー効率の向上につながります。
■ダクト工事の流れと注意点

ダクト工事は、建物の空調や換気性能を左右する重要な工程です。設計から施工までの流れを理解し、現場ごとの条件に合わせて的確に対応することが求められます。ここでは、工事の基本手順、施工時のチェックポイント、そしてトラブルを防ぐための管理のポイントを解説します。
・設計・製作・施工の基本手順
ダクト工事は、まず空調設計図をもとに空気の流れや機器の配置を決定することから始まります。設計段階では、必要な風量や圧力損失を計算し、ダクトのサイズやルートを決めます。次に、製作工程で亜鉛メッキ鋼板などの材料を加工し、角ダクトや丸ダクトを必要な形状に仕上げます。施工では、設計図に沿って天井裏や壁内に取り付け、ボルトやフランジで接続します。最後に、空気漏れや振動を防ぐためにテープやシーリング材で仕上げ、試運転で空調効率を確認します。
・施工時のチェックポイント
施工現場では、ダクトをできるだけ真っ直ぐに、最短ルートで設置することが重要です。曲がりが多いと空気の流れが乱れ、送風効率が低下します。また、排気ダクトの場合は勾配を適切に取り、内部に結露や油分が溜まらないようにします。継手部分の固定が甘いと振動や騒音の原因になるため、ボルトや吊り金具の締め付けも丁寧に行います。特に工場や厨房など高温・多湿な環境では、耐熱テープや防錆塗装など追加の処理が必要です。
■まとめ

配管ダクトは建物の空調・換気を支える重要な設備で、室内の空気を循環させ快適な環境を保つ役割を持ちます。空調・吸気・排気など用途に応じて種類があり、角ダクトや丸ダクトなど形状も目的によって選ばれます。材質には亜鉛メッキ鋼板やステンレスが使われ、耐久性や設置環境に応じて選定されます。
工事では、設計・製作・施工の流れを正確に行い、空気漏れや振動を防ぐ丁寧な施工が求められます。勾配や継手の管理を徹底することで、長期的に安定した空調性能を維持できます。さらに、設置後は定期点検や清掃により内部の汚れや腐食を防ぎ、空気の流れとエネルギー効率を最適化することが大切です。
適切な材質選定、確実な施工、定期的なメンテナンス。この三つを徹底することで、建物全体の空調効率を高め、快適で安全な環境を長く維持することができます。
■新和では一緒に働く仲間を募集しています!

神奈川県川崎市を拠点に活動する株式会社新和は、ビル・工場・商業施設・公共施設など、さまざまな現場で「保温工事」を手掛けています。空調や給排水などの配管・設備を断熱材で覆い、結露や熱損失を防ぐことで、設備を長持ちさせる大切な仕事です。目立つ仕事ではありませんが、建物の性能や品質を支える“縁の下の力持ち”として欠かせない役割を担っています。
新和では「人を育てる」ことを大切にしています。社員の多くが未経験からスタートし、現場で実践を積みながら一人前の職人へと成長しています。資格取得支援や研修制度も充実しており、経験がなくても安心して技術を身につけることができます。努力した分だけ評価される環境で、確かな技術と誇りを持って働けます。
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